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在りし日のパラダイスを求めて――
資源を奪われ、廃れるアメリカの田舎の姿に立ち上がる

ジム・シャープラス(プレーリー作家サークル所属)

ジム・シャープラスは、カンザス州のオタワ郡で、牛を飼っています。彼は、土地総合研究所のプレーリー作家サークルのメンバーです。この研究所は、カンザス州サライナにあり、多年生の穀物農業の開発を行っています。

 

2003年3月25日: 私の友達のマイクとテレサはフォークシンガーです。私は彼らが歌う歌や、彼らの歌声、そしてギターの音色が大好きです。彼らのお気に入りの歌の一つに、ジョン・プラインの「パラダイス」という歌があります。その中のリフレイン《繰り返し》の部分は、次のように続きます。

パパ、僕をもう一度、 ムーレンバーグ・カウンティに連れて行ってくれない?
グリーンリバーのほとりの、パラダイスがあるところに
息子よ、残念だが、もう遅いのだ
ミスター・ピーボディーの石炭列車が運んでいってしまったから
もう、そこにパラダイスはないのだよ

私は、これまでに一度もアパラチア炭田へ行ったことはないけれど、今まで聞いたり読んだりしてきたことから察すると、この歌の中にそのことが凝縮され、うまく表現されています。石炭列車が、その地域の石炭――そしてお金を運んでいってしまいました。そして、その地域の人たちに残されたものは、地面に開けられたいくつもの穴と、汚染水だったのです。

石炭産業は、当初は良いものだと人々の目に映ったことが想像できます。あれらの山々は、農業を営んで生きていくには厳しい土地だったに違いありません。石炭は、お金とより良い生活水準を人々にもたらしてくれるはずでした。しかし、結果的にそのように物事は運びませんでした。お金は一度も地元の人々の手に届いたことはなかったようです。そしてすべてが終わってしまった時に、人々は依然貧しいままだったのです。

同じようなことが、ここカンザス州でも起こるのでしょうか? いつの日か、私も、工場都市の狭苦しいアパートの中で座って、昔懐かしい田舎のカンザスの思い出にふけるのでしょうか? 私も息子に、カンザスへはもう戻れない、遅すぎたのだ、と言わなければいけないのでしょうか? 養豚場、大規模酪農場、有毒廃棄物焼却炉、埋立地、鉛精錬所、軍事基地、発電所――これらの産業は石炭を必要な資源として扱うのはもちろんのこと、同時に、私たちのきれいな空気、きれいな水そして広く開放的な土地までも資源として扱ってしまうのです。そのような産業によって、私たちの資源は使い果たされ、枯渇し、あとかたも無くなり、そして私たちに混乱を残していくのです――現在、私達が一文無しになっているのと同じように。

もちろん、私たちは皆、生計を立てていかなくてはいけないのはわかります。私はここで暮らし、生計を立てていかなければいけません。しかし、いつか私の息子たちも生計を立てていかなければならないのです。そして、もし私が幸福であれば、私の孫たちも幸福を手にすることでしょう。息子や孫たちには、汚れた帯水層や有毒廃棄物ではなくてもっと価値のあるものが必要なのです。

“馬鹿でかいだけの悪臭を放つ工場施設”というものは、大嘘つきでもあります。私達の課題は、“経済的な発展”にかかわる約束の先には資源の搾取が待っているのだということを見抜くことです。つまり、“論理的に正しい科学”などというまことしやかな説明には耳を貸さずに、良識的な判断を基本とすることです。さらに、私達は、資源を持続的に利用できるような方法を見つけなければいけません。そうすれば、資源を利用して得られる利益が、それらの資源を有している地域社会の中に残されていくのです。そしてさらに、私たちの子供たちも、それらの資源を利用することができるのです。

マイクが自ら書いた「青いカンザスの空」というタイトルの歌をマイクとテレサが歌います。この歌のレフレインの部分は次のように続きます。

私は立ち上がるだろう
カンザスの
あの青い空の下の
約束の地で

マイクは正しいと思います。私たちは、ここカンザスで立ち上がる必要があると思います。私たちの空が、いつまでも青くありますように、と。

 
 


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