再生可能な農業とは?
ロデール研究所とは?
ニューファームとは

英語版トップページ

ホーム アメリカ ジェイソンの世界冒険 インターナショナル 掲載記事一覧


―ロシアでオーガニック農業を―

都会人女性、ついに農家に転向

試行錯誤をしながら、隣人の支えで元モスクワっ子、農業に成功

ナターリャ・アレクセエヴナ・ボルツィク

 
「すぐに勇気をふるい起こして、今までの仕事をやめ、田舎で適当な土地を探し始めていました。何故って?  田舎では飢えることがないからです。」

 

編集者より:
この記事の中でナターリャ・ボルツィクが述べている、市民に小さな土地を分配するシステムはすぐにノスタルジアという話題になってしまいます。今年の初夏ロシア大統領ウラジミール  プーチンは、「母なるロシアの神聖なる黒き大地」の大規模所有権を認める、物議をかもしている法律にサインをしたのです。国の持ちものである、コミューンの財産を民営化するという証明書を与えられ、ロシアの農業問題を解決することへの、より健全で小さな規模でのアプローチをしたいと思っている人にとって、それは不運なことだということが判明しました。(1990年における農業は国内総生産のおよそ15%でしたが、現在では7.2%です。そしてそれと同時期に、耕作に適する1,800万町 ものロシアの農地が、主に放置されていたことが原因で失われてしまったのです。産業界はすでに土地を買い込んでいるところで、そのうちの3社が最近、各々100万町 を入手する旨を表明しました。
持続可能な農業があれば世界のどこでも、どんな話でも歓迎です。


ここ最近、旅行して伝えたい情報などあればすぐに送ってください。

 

 

ペレストロイカ後の数年の間に、私は本気で野菜を育てることに携わりたいという気持ちに強くかられるようになりました。民主化に伴う混乱、新しい国境線、天井知らずのインフレ、ウォッカの配給、その他多くの危機的徴候を伴った厳しい日々を、私は送っていました。そんな私に食物を育てることは極めてまともでやりがいのある仕事に思えたのです。

しかしながら、市内の集団農場にある 6畝の土地はまるで共同住宅のよう――窮屈で狭苦しい状況でした。これにはとても満足することはできませんでした。

そんな時、駅の新聞売り場で初めてNovii Fermer――ロデール研究所が発行したロシア語版雑誌「ニューファーム」――を買いました。この雑誌の名前を見て、これだと思いました。というのは私自身、都会人女性から農業への転向を考えていた最中だったからです。実際、すぐに勇気をふるい起こして今までの仕事をやめ、田舎で適当な土地を探し始めていました。何故って?  田舎では飢えることがないからです。Novii Fermerのモットー「自分で自分を養え」は、全くその通りでした。

私は東カザフスタン生まれで、一番近い親戚はモスクワとサンクトペテルブルクに住んでいました。そこで、2つの都市の中間地点あたりのどこかに落ち着いて、私は一年中働き親戚たちは夏の間加わるというような農場を始めることに決めました。

私はプスコウ・オブラストで求めているものを見つけました:そこはラトビアと国境を接する、環境的に清らかな場所です。果樹、トウモロコシ、テンサイが育っていて、気候はずっと穏やかに見えました。そこでは放牧場と干し草用の畑は勘定に入れないで、1人4反 を所有する権利がありました。

(編集者注:1990年代の初めまではすべての土地は国有でした。この頃から、国民は地方自治体から土地を所有する 、あるいは賃貸することを再び許されることになったのです。モスクワでは住民は6畝 の所有が認められていました。人口の少ない過疎地プスコウでは4反 が認められていたのです。このような土地所有者は「都会からの避暑」を意味するロシア語「ダシャ」から「ダシュニクス」と呼ばれています。)

ビニールハウスのトマトが完熟する前に、下の方に成っているものから収穫するナターリャ

1991年に地元住民は5人というメドニコヴォという名の小さな村に土地を買いました。その村は幹線道路から4km、国営農場から5km、ラトビアとの国境から50kmもないところにあります。トラクターは代金を支払って特別に頼まない限り、めったに見ることはありません1940年までは52軒の家が建つラトビア人の入植した土地でしたが、今までのところ6軒だけに人が住んでいます。そのうちの3軒は、今私の妹たちと私自身の家になっています。便宜上その3つの「農場」にそれぞれふさわしい「フラソフカ」、「ソスノフカ」「カメンカ」という名前をつけました。

(編集者注:若い人たちは田舎を離れ、町や都会に出て行ってしまったので、多くの村や農場には高齢の年金生活者と「ダシュニクス」だけが住んでいるのです。「農場」という言葉を使ったことについては、おそらくナターリャは皮肉の意味を込めたものでしょう。彼女が自分と2人の妹のために買った3つの農場は、実際放置されていたものだったのです。)

私たちは都会人なので、地元のやり方を学んだり、近所の人たちと親しくなったり適切な作物を育てたりするというようなことは難しいことでした。地元の人にどうやってジャガイモを育てているのか尋ねるべきでした。ここでは彼らは馬やトラクターを賃借りしているのです。そうする代わりに、私たちは鋤や鍬を使って手で植えたのですが、それはきつい作業です。作物の一部は、カザフスタンでは一度も見たことがなかったコロラドハムシ の餌食になりました。また、見たこともないような害虫に大根を全部食べられてしまいました。ライ豆は夏中ずっと棒をつたって伸び続け、初霜の降りる直前の9月にだけ花をつけました。

始めのうち、まだ何もうまくいっていなかった頃は、主にたくさんの本を読んだり、地元の農家の人たちに意見を聞いたり、地域独特の品種を探したりしました。Novii  Fermerはそういった最初の何年間かの間、大いに助けになり、インスピレーションを与えてくれました。

次のページ・・・

 
 


ようこそニューファームへ
ニューファームとは
再生可能な農業とは
ロデール研究所とは
・背景と歴史そして現在
・活動内容
・研究所の所在地
・代表挨拶
・所長挨拶
・SNN秀明自然農法
トップページの記事
・よう こそ
・農業インターン募集
・オーガニック試験圃場
・「提携」の地を訪ねて
・秀明自然農法-序論
・黄島:室田禮治さん
・福岡:樽海靖夫さん
・姫路:中安伸明さん
・千葉:吉野修さん
・群馬:黒岩トキさん
・高橋さんと盛岡CSA
・SNA:スライドショー
・救援する消費者
・北海道長沼農家
・地球温暖化防止策
・キャベツ類を守る
トップページNEWS
・欧州GMOで政府に圧力
・旬の野菜は栄養豊富
・ミミズの排泄物は有益
・持続農業の効果
・日本、クローン牛報告
・WHO、精製糖提言撤回
・日本、有機不正表示
・ガラ紡愛好会
アメリカの記事
・アイオワのトム
・アイオワのトンプソン
・フラワービジネス(1)
・フラワービジネス(2)
・基本と実際そして夢(1)
・基本と実際そして夢(2)
・すばらしい手製ハウス
・ペニーパック農場
・マリキータ農場より
・家族を牧場へ
・農業経済講演録
・人はなぜ農業をするの
・マーテンズの転換記
・古き桃たちへの想い
・パラダイスを求めて
・南ニュージャージー
・オハイオのジャネット
・2年前の特報発掘!
・持続可能な放牧場
・カリフォルニア会議
・果樹園を訪ねて
・最後の言葉
・フィールドハウス
・別の圃場のあり方へ
持続可能性研究所より
・メキシコ湾酸欠海域
・どん底への競争
・化学物質の負荷
FST:農耕法比較試験場
・地球温暖化防止策
インターナショナルの記事
・ロシアでオーガニックを
・アルゼンチンより
・オンタリオより
・セネガルより
・キューバ農業視察記
ジェイソンの世界冒険
・イントロダクション
・はじまり
・タイへ
・ラオスへ
・再びタイへ
・インドへ

・さらにインドへ
・ヒマラヤへ
・ヒマラヤ スライドショー
・スペインへ
・冒険を振り返って
インターナショナルNEWS
・有毒性カビトウモロコシ
・CEOの法外な報酬
・ノルウェーチーズブーム
・デンマーク鶏肉事情
・韓国でキンパが躍進
・EU、GMO貿易規制強化
・ブラジルGMO表示
・エチオピアの飢餓に支援
・米国、エジプトに報復
・中国GM食品にNO
・アフガン小麦増産に
・アイルランドの大学で
・ベネズエラ、土地改革
・欧州委員会は拒否
・バチカンがGM支持!
・スペイン、GMに抗議
・イタリア、オーガニック
・アフガン、収穫物が腐敗
・英国、GMフリー牛乳
・誘引作物
・不耕起が炭素捕獲
ニューファーム協力団体
アーカイブ

英語版では農家の方々にウェブ上でアンケートするコーナーがあります。
このコーナーではアンケート結果を日々確認することができます。

アンケートは英語版
のみです。

常に最新の情報を入手したい方はニュースレター(英語版)に登録をどうぞ

英語版ニューファームは毎日更新しています。英語版ニューファームの最新の記事、コラム、ニュースを見逃さずに読みたい方は、月刊ニュースレターのe-mail配信の登録をどうぞ。

英語版ニュースレター登録はここをクリック!

アクションアラート
英語版のみ)

• 遺伝子組み換え(GM)汚染から種子を守ろう

• GM汚染に対抗しているサスカチュワンの農家を支援しよう

• 養豚の大規模経営による環境汚染に抗議しよう

お便りをください

あなたは農家? それとも消費者? お便りをください。そしてあなたの考えを皆と共有しましょう。

このコーナーは英語版.のみです。

T H E    N E W    F A R M – R E G E N E R A T I V E    A G R I C U L T U R E    W O R L D W I D E