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日本に将来性のある農場を築く
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未来のために農場を築く
10の原理:

1. 土地は食物生産のためだけにあるのではない。それは人格形成の場であり、農家と農場の会員が属している場所である。

2. 互いに仲間であるという認識をもつことにより、他の人々とも人間関係を保ち、土地を大切にすることを学ぶことができるようになる。

3. ある場所へ自分がつながっているという意識を感じるとともに、大地に根ざした生活について語れるようになるかもしれない。これは大地に根ざした生活の中にある教訓を世代から世代へと、都市に住む仲間の会員へと伝えていくことを意味する。

4.会員が参加する農場をつくることで、新しい政治経済学を確立していることになる。これは農家がもはや労働力と見なされない、都市の人間が消費者として見られないという地方経済のひとつの例であり、そしてそこでは土地は生産手段とは見なされないのである。

5. 新しい政治経済学は、それが純粋な姿を表すことにより、効率本位の産業経済や食糧システムへの批判となる。

6. 共に仕事をすることにより、より大きな産業経済から解放されることが可能になり始める。機械は人力に置き換えることができる。市販の投与物(化学肥料、防虫剤)は、農場の土地を肥沃にすることや害虫予防のための工夫に置き換える。

7. 土地を大切にするために仕事をすることは愛情表現のひとつである。

8. 農場で育てられた食物を食べることにより、いつもの食事時間を感謝の時間や賞賛の時間にする。

9. もてなしの実践。都会に住む子供連れの会員、大学生、ゲストが滞在するための場所をつくる。ゲストルームそして/あるいはキャンプの設備。ゲストを招いて食物と仕事を分かち合おう。自分たちのところで、田畑、森での体験をする時間を提供しよう。

10. 農業や人生について一緒に会話をすることに時間をかけよう。

 

有機廃棄物
健全な土壌を維持することは、日本の伝統的農家の大切な仕事でした。(現在もそうです。)この目的のために、下肥を含むすべての有機廃棄物が土壌のために堆肥にされ、そして食物に姿を変えられたのです。農家は草や、森から持ってきた落ち葉を使ったり、排水溝やため池にたまった泥を掃除したりということもしました。きつい仕事ですが、こういったことは、このように小さな土地に住む住民全体を養うために必要な仕事なのでした。

下肥を肥料として使うことを受け入れることはとても辛いことでした。そして私たちの農場には使用しませんでした。―少なくとも今のところは! でも、森へ行き少量の落ち葉を集め堆肥をつくるための根粒菌として使用したり、野菜、草、鶏ふん、わら、そして地元の豆腐屋からもらった「おから」を、堆肥をつくるために使用したりはしています。

私たちは伝統的な農家のように、もみ殻を焼いて灰(もみがら燻炭)を作っています。冬の間に酸素が入らないドラム缶の中でもみ殻をいぶす作業をします。ドラム缶からは45度の角度で煙突が突き出しています。煙がゆっくりと煙突から漂いながらのぼると、煙の中の蒸気が冷たい煙突の壁面に当たって液化し、煙突をつたってバケツの中に入るのです。この濃縮物は水で薄められ、病害虫の予防に使われます。お金はかからないし手近に入手できます。

もみがら燻炭は、主に鶏小屋の床で堆肥を作る過程で使用されます。もみ殻、鶏ふん、森から持ってきたバクテリアを混ぜ合わせると、冬の間も床全体に熱を発生させることが可能です。今年の冬、外の気温は9.4℃しかなかったのに床の温度は25.5℃でした。ニワトリのために快適な環境を与えるということに加えて、私にとってメリットなのは鶏小屋が臭わないし、すぐに使える素晴らしい肥料を作ってくれることです。韓国の農家も豚を育てるのにこの方法を用いて同様の結果を得ています。「臭くない豚小屋!」です。一体そんなことができるのでしょうか。それができるのです。

発酵の過程はヒヨコの寝床を温めるのにも利用されます。これがうまくいっているので発熱灯を点ける必要がありません。2月の終わり、ヒヨコが来る約1週間前に――外はまだ雪が90cmも積もっているときに――31kgの米ぬか、森のバクテリアと、こねた時に米ぬかがまとまるくらいの量の水を混ぜ合わせるのです。日が当たらないようにその混ぜ合わせた物には紙袋をかぶせます。

およそ5日後その混ぜ合わせた物は温まり、約2週間の間安定して32℃〜35℃の熱を発し続けるでしょう。だからヒヨコのために電気を使う必要はないのです。この方法でヒヨコを育てることについての詳細は他にももっとあるのですが、原理はエネルギー、肥料、病害虫管理のために投与物を買う代わりに、発酵作用を利用するということです。

雑草を生えないようにするひとつの方法として、米ぬかやくず大豆も圃場にまいてきました。こういった有機物は水の中で分解され、バクテリアが増殖し、出てきた雑草の芽を食べてくれるのです。雑草を生えないようにするのに有毒な農薬を使う必要はまったくありません。これも、伝統的な農家が農場から出る「廃棄物」を、発酵を通して農場に有用となるものへと変えている例の一つです。

もしもこれがすばらしい日本の伝統農業であるのならば、それに何が起こったのでしょうか。祖先がもたらしたものと人々が意見を異にしているのかもしれません。それは技術的変化でしょうか。国家的な農業政策なのでしょうか。効率と発展という経済論理なのでしょうか。これらすべてがからみ合ったものなのでしょうか。原因は何であれ、日本で数千年にわたって培われてきた伝統的な農業や知恵は、現代の都会化された日本人の記憶の中からは完全にぬぐい去られてしまったのです。農家は、そして一般的に文化は「もったいない精神」を失いつつあり、そのすき間をついて「簡単農業」(効率の原理に従って行われる農業)が取って代わってしまったのです。


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